あなたの記す福音書のための草稿 10

あなたの記す福音書のための草稿 10


聖ベルナルドの個性はとてもハッキリしている。

 

一点の曇りも無い信仰心

情熱

善悪の峻別

雄弁さ

仕事能力と神秘

 

真っ白なユニコーンのような人だ。

 

修道士らしく、

俗世はあまり好きではなく

宗教世界が好き

 

心、未来を見通して

先の先まで、

豊富な比喩や、

分かりやすい言葉も駆使して、

1から10、とは言わず、120まで熱っぽく語ってくれる

 

過ちをおかしながら、

遅々としてしか進まない、

僕たち地上人間たちの歩みを、

これでもか、これでもか、と指導してくれる。

 

感謝されるでもなく、

普通は認識されることすらない、

それでも文字通り24時間休みなく働いている

生前の修道士生活もそうであったように、死んでから千年近い時がたった今にいたるまで

ほとんど休みなく働いてきたんだろう

 

12世紀前後は、

霊性の復活が時代的なテーマだった。

形骸化してきた世界宗教霊性を吹き込む使命を持った預言者達が生きた。

ヘルメスの分身や、指導を受けた者が霊性革命を起こし、彼もその一翼を担った。

後のルターなどのプロテスタント

彼の著作から影響を受けている。

 

彼の声は、ハッキリと、僕にも彼女にも聴こえた。

 

貫く信仰、自己犠牲の精神、神への限りない愛、そして、神の駒としての愛

 

彼女の過去世からの悩みがみえてくると共に、

自分の悩める姿もみえてきた。

彼女の悩みを解き明かすと共に、

自分の悩みも解き明かしていった。

 

自分の悩みが解け、執着を去るにしたがって、六神通といわれる感覚が開けていった。

 

今まで、霊的な現象それ自体に特段の関心を抱いたことはない。また、彼女と交流をするまでそれほど明確な霊感を感じたこともなかった。あの世をエクスキューズにする必要がないほどには、成功した人生を歩んできた。

 

けれど、現代の六神通は加速度的に開花していった。

 

他人の本音がきこえる

(他心)

 

前世宇宙世未来世がみえる

(宿命)

 

天使悪魔妖怪生霊といった霊的存在がみえるきこえる

(天眼・天耳)

 

それらが時間/空間にとらわれない

(神足)

 

みえるものきこえるものと社会生活を両立する

(漏尽)

 

ある日の帰り道、

強い強い念い、流れ出す愛、胸から、とめどない奔流が溢れ出した。

これが、念いの強さなんだ、これが愛の強さなんだ。

光の奔流が自分の胸から流れ出した。